「ところで、『日射変化に対して気候システムが応答し』とは、どういう意味なのですか」と町会長。

「ウィキペディアの『気候』には、『地球上では、大気・海洋・陸とそこにまたがって存在する生物が、一体となって気候を生み出している。これは、各要素の相互の関係によってできた、いわばシステムのようなもので、これを気候系と呼んでいる』と書かれています。」

「大気や海洋や陸や生物が季候を生み出すメカニズムのことを気候システムと言っているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、『日射変化』というのは、朝、昼、夕方の日射の変化のことではないのですか」と町会長。

「基本的には、おっしゃる通りなのですが、ここではミランコビッチ・サイクルのことを指しています。」

「『ミランコビッチ・サイクル』と言いますと」と町会長。

「ウィキペディアの『ミランコビッチ・サイクル』には、『地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である』と説明されています。」

「『離心率』というのは、数学で、昔、勉強したような気がするのですが」と町会長。

「おっしゃる通りです。放物線や楕円、双曲線などを勉強するときに出てきます。離心率が0なら円になり、0と1の間なら楕円になり、1ならば放物線になり、1より大きければ、双曲線になります。」

「なるほど。地球の公転軌道は楕円なので、離心率は0と1の間になるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。公転軌道は10万年周期で楕円になったり完全な円に近づいたりするそうです。」

「氷期と間氷期も10万年周期ですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『ミランコビッチ・サイクル』には、『地球は太陽を焦点の一つとする楕円軌道上を公転しているが(ケプラーの第一法則)、その楕円の形状は常に一定ではなく、約10万年をかけて横に伸びた楕円が円に近い楕円となり、そしてまた横に伸びた楕円となっている。楕円が最も伸びた形になる時と楕円が最も円に近い形になる時とでは太陽と地球との距離は最大で1827万kmも変わる。この差が太陽からの光量に影響を与え、結果として地球の気候にも影響を与えることになる。現在の氷期サイクルの周期は約10万年であり、離心率の変動周期と一致している。しかし、それらを関係づけるメカニズムについては完全に理解されていない』と説明されています。」

「なるほど。東京大学大気海洋研究所の研究では、『最新の氷床-気候モデルを用いたシミュ レーションの結果、氷期-間氷期が10万年周期で交代する大きな気候変動は、日射変化に対して気候システムが応答し、大気ー氷床ー地殻の相互作用によりもたらされたものであると突き止めた』ということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

[でも、ウィキペディアには『それらを関係づけるメカニズムについては完全に理解されていない』と書いてあるのですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、ウィキペディアが間違っているのですか、それとも、気候モデルを用いたシミュレーションが間違っているのですか」と町会長。

「2007年の『地学雑誌 Journal of Geography』に、『Nature』に掲載された論文を書いた安倍教授が共同執筆している『第四紀の氷期サイクルと日射量変動』という論文が載っているのですが、その論文に、その辺の事情が書いてあります。」

「安倍教授は、氷期-間氷期が10万年周期で交代するという現象を長年にわたって研究しているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『Nature』に論文が掲載されただけではなく、色々な賞を受賞しているので、『氷期-間氷期が10万年周期で交代するという現象に関する研究』では、日本のトップのようです。論文も海外の一流の研究者と同じように、文系の人が読んでもある程度理解できるように書いています。」

2020/7/21 

<筆者の一言>
6月13日にマイクロソフトにPCを乗っ取られて、強制的にアプリをインストールされてしまったことは既に書いた。その1週間後の6月20日にキーボードがまともに使えなくなったが、キーボードを古いものに戻したら使えるようになったことも既に書いた通りだ。

その後PCは徐々に重くなり、7月4日の今日になると、スタートボタンがまともに反応しなくなってしまった。

しかし、スタートボタンが反応することもあったので、コントロールパネルを開いて、6月20日に作った『遅すぎる復元ポイント』に戻してみた。すると、スタートボタンは思い切り軽くなった。

再起動をしないで、復元ポイントに戻したのは、6月13日にマイクロソフトにPCを乗っ取られた時やキーボードがまともに使えなくなった時、2度とも再起動をして問題が起きているからだ。既にマイクロソフトの悪意に満ちたソフトがインストールされていて、再起動とともに動き出した可能性が高い。

頭はわずかに良くなっていると思っていたが、まともに働いていないことが、この件でよくわかった。毎日更新している『ムクドリ』のファイルをドキュメントに置いたままだったのだ。このPCが使えなくなれば、アップロードができなくなってしまう。『ムクドリ』は中断したくないので、ファイルを物理的に取り出せるメモリースティックに保存することにした。

<ムクドリ60>
茶室と中門の間にナイロンの糸を張り、貼った糸からナイロンの糸でおもちゃの鷲を吊るした。ナイロンの糸を使ったのは耐候性があるからだ。鷲は中門と鷲のスタチューの間に、高さ2メートルほどの高さに設置したが、翌朝見ると30センチほど下がり、スタチューより低い位置になっていた。ナイロン糸の欠点は、湿気を吸うと伸びてしまうことだ。

結果として、中門を通る人には、左手に吊るしてある鷲が風を受けて常に向きを変えているのが見えるようになった。しかし、位置が低いので中門に隠れて、雀からは見えにくくなってしまった。

この頃になると、移動性の雀は庭には下りて来なかったが、母屋の鬼瓦に止まったり、外庭の向こうの電線や木々に止まって、庭の様子を伺うようになっていた。

しかし、茶の間に接する苔庭を孟宗竹で囲い、ネットを貼ること自体が問題だと思っていたので、孟宗竹もネットも取っ払ってしまった。<続く>

2023/7/4